俺は19才の頃、”HANA-SHIN”という変な名前のブルースバンドのメンバーだった。名前の由来はなんのことはない、リーダーの花岡伸二(憂歌団のベース花岡献治氏の実弟)の名前を略しただけなのだ。そのHANA-SHINが今は亡きトリオレコードからデビューした頃、この人たちの前座をやらせてもらった。元々フェントンロビンソンのツアーの前座をする予定だったのだが若い頃の政治活動経歴がもとで法務省から来日にストップがかかり(表向きは交通死亡事故のためとされた)、その代打でこの面々が来日した。フェントンとはえらい年の開きだ!あの頃のフェントンに会いたかったなぁ。

 でもこのおじさんたち、それぞれなかなか個性的だった。Acesのおじさんたちは普段シカゴで郵便配達をしてるとの事で優しいおっちゃんたちと言う感じ。Robert Jr. LockwoodはあのRobert Jhonsonの義理の息子。いつもニコニコしてた印象しかないなぁ。エディーはプライドが高く頑固者。何かが気に入らない様子だった。俺はキャデラックを何台も持って大きな家に住んでいるんだと偉そうな事ばかり言ってた印象がある。箸の持ち方が変だったので教えようとすると「知ってる、それくらい!」だって。めちゃくちゃなのに(笑)。